曲が書けない方、メロディーは鼻歌で作れるけどコードをつけられない方、ご安心ください。曲には書き方があります。
曲は書けるけど時間がかかったり、思った通りに作れないという方も、ご安心ください。もう一度言いますが、人類が未知の響をもつ曲でない限り、書き方があるのです。
ここで作曲を料理に例えてみましょう。食べたことがある料理を再現するのは相当難しいと感じられます。しかし、それを難なくこなしてしまう人がいます。さらに新しい味にまで発展させてしまう人もいます。なぜ、そのようなことが可能なのでしょうか?
おそらく、素材や調味料の味を知っているから材料がわかり、そして、それらの分量、調理法がわかっているからです。これが、料理をきちんと理解しているのということだと思います。
梅干しを食べたことがない人に『すっぱい』と言うことを言葉だけで伝えても、実際に味を知らなければ料理にはならないでしょう。
さて、曲が書けないということにもう一度置き換えてみます。
我々にとって、料理でいうところの『舌で覚えた味』は『耳で覚えた響であり』、『分量』は『様々な響をそれぞれどのぐらいずつ配置するのか』、『調理法』は『時間に沿って並べられた響の変化の演出法』といった感じでしょうか。
では、どう勉強すべきなのでしょうか?
まず、響をひとつひとつ覚えましょう。沢山あると思われる四和音(4声のコード)の型も基本は7種類しかありませんから、きっと覚えられるはずです。そして、それを連結する方法を音楽理論で学べば良いのです。
理論なんかいらないという人もいますが、そもそも『ドレミファソラシド』はピタゴラスが理論的に考案したものでありますから、本当に無から音楽を作れる人などほとんどいません(いたとしても、我々とは隔離された違う文化の中で生活している人ぐらいでしょう)。そもそも理論とは、音楽の歴史の中から『有益な方法論』をまとめたものなのです。
それよりなにより、知識と技術は荷物になりません。あればあるだけ良いものです。安心して沢山勉強してください。ゆっくりで良いので、確実に、しっかりとした構造を持つ音楽の構築法を学びましょう。そして、いつか新しい音楽を生み出すことができたら素晴らしいですね!!
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【羽沢横浜国大】宮坂直樹
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